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『シンゴの旅ゆけば~!(88)前世の話①』 まぁ、怪談話にゃまだ早いけど、ちょっと不思議な話を書こうと思う。長いこと旅ばかりしていると、そりゃまぁ不思議なことの1つや2つは誰でも出くわすと思うのだけど、俺はなんだかそういう確率が高いのよね…

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『シンゴの旅ゆけば~!(88)前世の話①』

まぁ、怪談話にゃまだ早いけど、ちょっと不思議な話を書こうと思う。長いこと旅ばかりしていると、そりゃまぁ不思議なことの1つや2つは誰でも出くわすと思うのだけど、俺はなんだかそういう確率が高いのよね。

従兄弟の結婚式で名古屋に行った時に、帰りの新幹線まで時間があったので、マクドナルドでコーヒーを飲んでいた時のことだ。ワンカップの日本酒を飲んでいて、マクドナルドの商品なんて何一つテーブルに置いてない男がいた。やれやれ、ああいうのとは距離を置いておこうと思ったのだけど、なぜか俺の方をじっとその野郎は見ている。

目を逸らそうとするのだけど、男はじっと俺を見ていて、何なんだって思っていたら…男が俺の前の席に移動してきて、どっかりと座った。

お兄ちゃん、北海道出身だよな?

男はそう言った。いや、違うけど。無視すりゃいいのに、俺は九州の大分出身だとマジで答えてしまった。

嘘言わなくていいんだよ。北海道の顔だもん。これからどうするんだ、心配ごとあるんだったらうちに泊まってもいいんだぜ。男はそう言ってニコニコしている。こういうことがよくあるのだ。

あ、酔っ払いとかジャンキーに懐かれた話じゃないよ。不思議な話なのだ。


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