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『シンゴの旅ゆけば~!(69)フランシスコ・ザビエルの「世界の果て」その1』 ガキの頃に放送していた『キャプテンウルトラ』という特撮番組が好きだったのだけどね。最終回がすげぇ話で、今でもはっきりと思い出せるのよ。 キャプテンの仲間の子供…

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『シンゴの旅ゆけば~!(69)フランシスコ・ザビエルの「世界の果て」その1』

ガキの頃に放送していた『キャプテンウルトラ』という特撮番組が好きだったのだけどね。最終回がすげぇ話で、今でもはっきりと思い出せるのよ。

キャプテンの仲間の子供が宇宙遊泳していたら流されてしまって、その子たちを探してキャプテンは「宇宙の果て」に行ってしまう。その「宇宙の果て」ってのが、おいおい、そりゃあの世だろって思うような処なのよ。色とりどりの花が咲いたお花畑に小川が流れていて、虹もかかっている。キャプテン一行は、みんなで手をつないで、笑いながらお花畑を駆けていく。それで「終わり」。なんだか愕然としたというか、バンデル星人っていうエリンギみたいなのと戦う話だったのが、この終わり方かよって途方にくれた。

だからなのか、俺の頭の中の「宇宙の果て」は今でもお花畑なのよね。

まぁ、「宇宙の果て」には行けないだろうけど、「世界の果て」ってのを昔の旅人は目指した訳だよね。あんまり端に行くと海から落ちるとか、信じられていたこともあったそうだけど…。

地球は丸いから「世界の果て」なんてものはなくて、どんどん進んでいけば、元の場所にいつかは戻ってしまう。今の人間はそれを知っているけれど、それでもやっぱり「世界の果て」ってのはあるんだなって思ったことがある。まぁ、その「世界の果て」は日本なんだけどね。

フランシスコ・ザビエルの話だ。

前にチェコに行った時に、キリスト教の聖人の像が並んでいるカレル橋ってのがあって、その中にザビエルがいたのね。なんだかお神輿みたいなのに乗っていて、東洋人がそれを担いでいるのだけど、その東洋人ってのが、どう見ても中国人なのよ。確か中国に行く前にザビエルは亡くなっているから、きっと像を作った人の中じゃ日本人とごっちゃになっているのだと思った。

ザビエルって、世界の偉人みたいな人の中で、俺にとっちゃ馴染みの深い人なのよ。俺の実家は大分県だから、キリシタン大名大友宗麟の話に、ザビエルがいつも出てくるからなのだけどね。うちの父ちゃんはメガネをかけているのだけど…日本に初めてメガネを持ってきたのはザビエルだって話を父ちゃんから聞いたしね。

それに、大分県のガキにとって高級なお菓子と言ったら「長久堂のザビエル」と決まっていて、大好きだったのよね。機会があったら食べてみてください。歴史のことなんかよく知らないのだけど、だからザビエルっていう名前だけは記憶にあったのよ。

スペインのパンプローナっていう町で、いつものようにダラダラしていた時のことだ。旅行者用のインフォーメーション・センター(ヨーロッパじゃ、だいたい駅の前にあって大きく「i」と書いた看板が出ている)で、ここから60キロくらい行ったところにザビエルの実家があることを知った。

ザビエルってバスクの人だったの?

だいたいバスクの男ってのは、腕っぷしの強さを誇っているようなところがあって、絵で見る感じじゃ細っこいザビエルも、実はケンカが強かったらしい。今でもバスクのお祭りといったら、誰が一番重い岩を持ち上げるかとか、そういうのばっかりやっている土地なのよね。

その上、ザビエルってのはスペイン語じゃ「シャビエール」みたいに発音するそうなのだけど、苗字ではないことも知った。フランシスコ・ザビエルって言ったら、そりゃザビエルさんだろって思うだろうけど、あれはザビエル村のフランシスコって意味なのだそうだ。だから、ザビエルの実家の「ザビエル城」も、ザビエルさんの城って意味じゃなくて、ザビエル村の城って意味なのだそうだ。ああややこしい。

それに、実家が城ってことはザビエルってお金持ちのボンボンだったのね。なんでまた、遠く離れた日本にまで来たんだか?

まぁ、いろいろと新しい事実を知って、楽しくなったので…ザビエルの実家に行ってみることにした。でもまぁ、ダラダラな俺だから、まぁそのうちねと思って、ホテルの下のカフェでバスク名物のパンの代わりに卵焼きで具を挟んだサンドイッチと、美発泡の白ワインを飲んで、その日は寝ることにした。今日やったことはインフォメーションに行っただけ。俺の旅って、1日1つ何かやったらいい方なのよ。

この卵焼きサンドイッチは本当に美味しくて、3食そればかり食べていたら(まぁ、他にもいろいろ食べたけど。バスクはグルメで有名だからね)太ったのよ。いろいろな所に旅したけど、太ったのはこの時だけだった。インドじゃ8キロ痩せたしね。


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